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日記形式でつづる いがぴょんコラム ウェブページです。
PC サービス
とある場所にて、まれにしか利用されていない Windows XP 搭載 PC を起動したら、ウィルス対策ソフトの更新や Windows Update という OS 更新処理で 1 時間以上がかかりました。これは憂鬱です。いや、単に憂鬱であるどころか、これはセキュリティ上のリスクが非常に高い状態であるとも考えられます。
※この日記は 2009-03-07 に記述されました。
とある場所にて、まれにしか利用されていない Windows XP 搭載 PC を起動したら、ウィルス対策ソフトの更新や Windows Updateという OS 更新処理で 1 時間以上がかかりました。これは憂鬱です。いや、単に憂鬱であるどころか、これはセキュリティ上のリスクが非常に高い状態であるとも考えられます。
一般の PC 利用者がコンピュータ・ウィルスによる被害を受けることが一般化してしまった今となっては、PC やウィルス対策ソフトについての適切な更新運用は不可欠になってしまっています。しかし、その対応策の適切な実施は、実際にはとても難しく、厄介なものであります。コンシューマ向け機器で、この状況はひどいことであるように考えられます。
この問題を掘り下げて考えてみると、そもそも 一般の利用者がハードディスクドライブ (HDD) に 基本ソフトであるオペレーティングシステム (OS)や 応用ソフト (アプリケーション) をインストール (コピー) して使っている形態に無理があるように思えてきます。書きかえできる形態であるからこそ、オペレーティングシステムの更新処理やウィルス対策ソフトの更新処理が必要になってしまうのではないでしょうか。コンシューマ向け機器において、HDDにプログラムを格納している状態が難易度を爆発的に高めているように思えます。(そのプログラムを利用者が簡単に追加できるのが非常に問題…)
例えば、PS3 や Wii のようなコンピュータゲーム専用機に思いをめぐらせてみると、非常に参考になります。このようなゲーム専用機は、CD-ROM や DVD-ROM、そしてブルーレイディスクなどによってオペレーティングシステム (OS) や 応用ソフト (アプリケーション) が提供されています。CD-ROMや DVD-ROM などの読み込み専用媒体は、原則として書き換えができません。この点が非常に重要です。これらゲーム専用機のソフトウェアの大部分は、書きかえできない読み込み専用状態で配布されていることがわかります。そして、それらは読み込み専用であるがゆえに、ひとたび電源を切ってしまえば、パソコンで起こるような様々な問題について (基本的に) 解決されてしまうのです。そうなのです。ゲーム専用機で書きかえ可能なのは (基本的には) データのみになっているのです ! これにより、コンシューマ向け機器としての利便性を提供できているように考えます。
オペレーティングシステムやアプリケーションといったプログラムを CD-ROM や DVD-ROM、そしてブルーレイディスクのような読込専用媒体によって配布することで、実は、かなり多くの課題は解決できるという可能性があるのがわかります。一般の PC 利用者が LiveCD ベースのオペレーティングシステムやアプリケーションを利用するようになれば、日本中、あるいは世界中でおきている、様々な問題を解決できる可能性について、つれづれに思いを馳せました。
関係する日記
2004/11/20 日記: 「あなたのOS作ります」アイデアメモ 同じようなことは、2004年 にすでに想像していました。
前の章で書いた内容を更に掘り下げて、以下のような何かしら商用サービスをだれかが提供すれば、一般利用者である多くの人々は救われるのかしら、などと思いを巡らせてみました。
プログラム (基本ソフトおよびアプリケーション)
CD-ROM、DVD-ROM、ブルーレイディスクなどの媒体によって LiveCD を提供する。
LiveCD については、商用サービス提供者などが定期更新版の媒体を提供する。
(当然のことですが、) ネットワーク・ポートは最低限のものにおさえた設定にする。
データ (メールデータ、文書データ、写真、ビデオなど、アプリケーションのデータ)
商用サービス提供者などのネットワーク上のストレージによって実現する。
商用サービス提供者などによって、ストレージ上へのアクセスにウィルスが載っていないかどうかチェックするサービスを提供する。
LiveCD と データ との連携
固有のネットワーク・ストレージへのハードリンクを LiveCD に埋め込んでおく。
認証のための証明書などを LiveCD に仕込んでおき、セキュリティ上のリスクを軽減する。(期限切れの LiveCD は動作しなくする)
こんな仕組みで、一般利用者のセキュリティ対策は かなり向上するのではないかなぁ、などと思いました。
じつは、この構成は、企業内の一般的な事務用 PC や、はては情報システムなどにおいても、大きな効果を発揮するように考えられます。(そのようなサービスが世間で提供されているかどうかについて、私は調べたことはありません。)
これを実現するためには、いろいろな課題があるでしょう。例えば、OS起動速度などが気になります。この点は、LiveCD の配布方法を USB メモリ (何らかの方法で書き換え不能にセットする?) や HDD (何等開放法で書き換え不能にセットする) 、あるいは USB 接続などの SSD (やはり読み込み専用の…) にすれば、(CD-ROM、DVD-ROMなどに比べて) 起動時間が短縮できる期待が持てます。ポイントは、それらプログラム格納部分を読み込み専用にセットできるかどうかという点と考えられます。
ちなみに、私は このネットワーク・ストレージの部分を考察しているときに、ジャストシステムのインターネットディスク を連想しました。それが 近いものであるような直感を感じたのです。